【中】100%de Aishitai, Aisaretai.




「この度は……」


そんなふざけた挨拶。

多くの人の涙。

お線香の香り。

木魚の音。

綺麗に飾られた花。




時間は当たり前のように動いていて、お葬式も滞りなく行われている。




あたしはただ、魂が抜けたようにボーッとしていた。


おばあちゃんが亡くなった日から、涙は流れてない。

あの日に使い切っちゃったのかな。




小さなお葬式に集まった多くの人たち。

みんな、おばあちゃんとの別れを悲しんでる。

おばあちゃんの生き方は正しかったんだって、なぜか冷静に考えてた。


あたしもそうなれるかな…?




今は未来なんて想像できないや。
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