【中】100%de Aishitai, Aisaretai.
ガタンッ




え…何?


玄関の方でした大きな音に驚いて立ち上がった。

親か親戚かな…?




「はぁ…はぁ…」


息を切らして部屋に入ってきた人を見て、あたしは声を失った。


そしてドカドカとあたしに近付き、次の瞬間……

温かい腕で包み込んだ。


「大丈夫か…?」


ガラにもなく、心配そうな声をくれる。


「俺のいないとこで泣いてんじゃねぇよ」


ギュッと抱きしめる手に力を加えた。




「……遅いよ…バカ隼人…」


止まってた涙が溢れ出した。


「うわーん!!おばあちゃん…ヒック……いなくなっちゃっ…た」


「うん」


いつもよりも優しい隼人に安心して、しばらくあたしは泣き続けた。
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