【中】100%de Aishitai, Aisaretai.
「へぇー…ここ?」
「せ、狭いけどっ」
何でこんなことになったのか…。
結局隼人に流されて、あたしは家の前に立っていた。
「ん?上甲?…名字違くね?」
表札を見て気付いた隼人。
「あぁ、うん。ここおばあちゃん家だから。上甲はおばあちゃんの名字」
「そっか美和、親の都合で転校してきたんだっけ」
「……親は今別んとこに住んでる。あたしはここでおばあちゃんと二人」
別にわざわざ言うことでもないけど…。
「だ、だから狭くても大丈夫なの」
隼人ん家の何十分の…いや、何百分の一の大きさか。
まーたバカにされるんじゃ…。
「……いいじゃん。俺、こういう純和風の家結構好き」
見渡しながら微笑む隼人。
ドキッ
……隼人は人のこと見下して笑ったり、絶対しない。
俺様だけど…そういうとこは好きかも。
「うれしいこと言ってくれるのね」
後ろから突然声がした。