私の彼氏は総長さん



欄真はあたしの事友達だって言ってくれたけど、あたしはそんな事思ってなんかない。



だってこうなる事が分かってたから。



いずれ話さなきゃならない時がくるから。



いつだって人とは壁をつくってきた。



壁をつくらない相手なんていなかった。



自分を偽り嘘をつくのが平気な毎日になってから、あたしの中で何かが崩れていったんだ。



それまでの生活が幸せすぎて、慣れるのには苦労した。



毎晩1人、布団の中で声を出さないように泣いていた。誰もいない家なのに。



誰かがいる気がして声なんて出さなかった。



…………出せなかった。




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