カカオ100%



「じゃあ……帰るか」


 エンジンをかけ、アクセルを踏むと車が発進した。


 車のライトだけが明るくその場を照らし、道を伝えてくれた。


「お兄ちゃんと……」


「ああ。大学が同じ」


 まだ何も言ってませんけど。


 まぁ確かに聞こうと思ってたことだけどさ。


「光輝、怖いんだよな―。得に妹とかのことになると」


 そう言って、ちろりと舌を出し苦笑いを零す。

 はは。

 そうなんだ。
 知らなかった。

 と、いうよりあんまり知りたくなかったような……。


「あ…」


 ハンドルを握り窓の外に目を向けながら、イケメンが小さく呟いた。


 どうしたんですかと不思議そうに尋ねると返ってきたのは意外な言葉。

「外、見てみ」


 外……?

 外に何があるっていうのよ。街灯やら何やらがあるだけじゃん。


「ほら、あそこ」


 指を指されたところに不信に思いながらも目を向けると、

 え、あれって…。

 予想外の人物を発見。

 こちらに向かって手を降りながら走ってくる人。

 それはまさしく……。

「お、お兄ちゃん!?」

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