カカオ100%
「「カンパーイ!!」」
陽気な乾杯の音頭とともに始まった合コン。
場所は繁華街にある小さな居酒屋。
小さな居酒屋といってもせまいってわけじゃなく、アットホームな感じと言った方があうだろう。
あたしを含めた女子3人、男子3人の小数での合コンで。
相手は友達(ってか透子だけど)たっての希望で某有名大学の大学生。
みんなそれぞれ自分のターゲットに我先にと話しかけている。
もう無我夢中って感じで怖い。
あたしはというと居酒屋にも関わらずオレンジジュースをストローでちゅうちゅう吸い上げている。
もちろん一人で。
「ねぇ……、伊織ちゃんだっけ?」
いきなり、ぽんと肩を叩かれたのと同時に背後から声をかけられ咄嗟に振り仰いだ。