【SR】メッセージ―今は遠き夏―
二人は、事の流れを交互に話した。
女性は時に頷き、時に笑い、二人の話を興味深そうに聞いた。
「それで……わざわざこんな遠いところまで」
繁人が手渡した写真を懐かしそうに眺めながら、ゆっくりと口を開いた。
「これは、千夏ちゃんよ。百夏ちゃんじゃないわ。
知らなかったのね……妹がいるってことを」
妹がいる、しかも自分は双子だったという事実など、百夏は今まで知らずに生きていた。
27年間知らずにいた真実。
それを突如目の前に突きつけられて、どうすればすぐに飲み込めるというのだろう――。
「妹って……じゃあ俺が付き合ってたモモカって、本当は千夏だったってわけ?」
「そう。ここでの名前を『モモカ』と名乗っていたの。千夏ちゃんは、自分が双子だってことを知っていたのよ」