【SR】メッセージ―今は遠き夏―
「モモカ……なあ、モモカだろう?
かなり久しぶりだなあ、元気にしてるのか?
いつからこっちにいるんだよ?」
肩越しに、いきなりの質問攻め。
はっきりと自分の名前を呼ばれたのはわかったが、聞き覚えのない声に首を捻る。
恐る恐る、百夏はそちらを振り向いた。
やはり、見たことのない顔だった。
この人は……誰なのだろう。
視力が乏しい百夏は、もう一度目を凝らして再度確認する。
頭のてっぺんから足の先まで、何度も視線を往復させた。
昔の知り合い?
それとも、誰かの友人だったか――。
だが、その顔は記憶にある知人のリストに誰一人該当することなく、脳内検索はあっけなく終了した。