オレンジヒーロー

from沙雪


「えーなんでー?」

「アイツとなんか遊びに行きたくない」

なんかわかんないけどアタシと一緒にご飯を食べている土屋亜珠。
妙に私になついてる。
土屋亜珠は今日、寮に入るらしく入寮祝いに3人で遊びに行きたいとごねている。
3人とは、アタシ、土屋亜珠、安西。
安西は別に嫌いではないけど向こうが私を嫌ってる。と、思う。
別にどうでも良いんだけど。
私にはなんか土屋亜珠に話すみたいにああいうチャラい話し方をしてこない。
冷たい。チャラくてもうっとうしいけど
会った時から私を侮辱してくる。

会って一言目が

『可愛くないな』

だった。この瞬間たぶん亀裂が入った。かかわりたくないのに何故かアイツは関わってくる。
1人にして欲しいのに何故か絡んできてつっかかる。
つっかかるなら絡んでくんなっと何度いっても意味がなかった。
そして私が土屋亜珠と絡み始めてから更に
関わらなければならなくなった。
どうも土屋亜珠はタイプらしい。
アイツのタイプは世の中のほとんどの女性らしいけど。

「駄目ー?」

「アンタは健也と言ったら?」

「えっ健也くん!?」

「まてー!健也と2人なんか許さねえぞー
俺も連れてってよ土屋亜珠っ」

でた。どっから沸いて来るんだコイツ。しかも私の土屋亜珠と言う呼び方を真似している。今までチャンづけしてたくせに。

「じゃっじゃあ4人でいこー?」

「アタシ要らないから」

大人数とか好きじゃないし。

「駄目だよっ沙雪と安西君はヒーローなんだから!!一緒にいないと!!」

なんだよヒーローって。

土屋亜珠を守ってやる宣言をしてから土屋亜珠はアタシと安西を
ヒーロー扱いする。しかも2人で一つらしい。
そこが気に食わない。
土屋亜珠を守るのはアタシ1人で十分なのに。
あの日土屋亜珠を探してる所をたまたまアイツに見つかっただけの話なのに。

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