オレンジヒーロー

うわっ今日水曜日だ。6時間授業なの忘れてた。
もう授業終わったじゃん。英語は起きとくつもりだったのに…。
アタシは英語の教師にまた呼び出されんた。
遊ぶっつうのに。

「懲りないねーさゆ」

「あっちゃんごめんって。今日7時間あると思ってたから…
遊ぶし帰って良い?」

あっちゃんは25歳の先生である。
朝子先生だからあっちゃん。
なんかよくわからないけど仲良し。
互いにあだ名で呼び合っている。

「ほんとに反省してんの!?ん?遊ぶ?
珍しいじゃん
美由ちゃんと?」

「いやっ土屋亜珠と健也と…安西」

アタシは安西の名前を言う時だけわざと声を低くした。
あっちゃんはふきだしていた。

「安西くん拒否しすぎっしょ。
転校生と仲良くなったの?」

「ヒーロー…らしい」

「ハハッそう。まぁ仲良くしなよー
帰ってよし」

「あっちゃんありがとっ
バイバイ」

「さよーなら先生っでしょ」

「さよなら」

「冷たっ」

あっちゃんの最後の言葉を無視しアタシは慌てて教室に帰った。
携帯には唯一アタシのメアドをしっている健也からメールが入っていて

『後で2人にメアド教えろよ。すねてる

校門で待ってるからなっ』

とかいてあった。

教室につくと、数人の人がいた。
なんか嫌な予感がした。

「こないだはどうも、佐伯沙雪さん」

「この前の」

私がぶん殴った人達。
1人はアタシの鞄を持っている。

「ダル」

「なんでだよ今日は前のお礼をしにきたよ。
オレンジの髪の邪魔もんもいないしね」

転校生狩りが何故にアタシを狙うんすか?
なんて聞くのも面倒だった。鞄、人質がわりですか?
しょうもない。
時間がもったいない。

「悪いけど前と違って容赦しないからねー」

「勝手にすれば」

一気に全員で本気で殴ってくるとか
ずるいねー。
別にいいけど。
数分後には皆床に倒れていた。

「それで本気?鞄返してもらうから」

顔に傷作っちゃったじゃん。
絶対土屋亜珠になんか言われる。
健也と安西はまぁ、またかって思うだけかな。健也は中学から一緒だし。
私は説明も面倒だなと思いながら小走りで校門へ向かった。


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