オレンジヒーロー

from亜珠


アタシは健也君に沙雪のケー番を聞き家に帰ってすぐに電話をかけた。

沙雪は突然カラオケBOXをでて帰ってしまった。
安西君が

「土屋亜珠っ大丈夫だから2人で楽しんでー」

と後を追ってくれたけど私は凄く申し訳なかった。
やっぱカラオケ嫌だったかなぁ…。
謝らないとと思い電話をかけたものの
電話からは声が聞こえない。

私はしばらく黙っていたけど勇気をだして声を出した。
私の声に気付いて沙雪は返事してくれた。

『今?いいけど』

「沙雪ねっ…やっぱカラオケ嫌だった…?」

『カラ…ああ。ごめんっ。』

「謝るのは私だよっ沙雪が嫌なのに無理矢理…。」

『で健也とはどうなった?』

沙雪は話を変えてきた。
何か言えない事がありそうだったけど
とりあえず怒ってる訳じゃなくて良かった。

「健也君とはなんにも…あ家まで送ってくれたよっ」

『良かったじゃん。次は最初っから2人で行ったら』

私は電話越しに赤面した。
最初っから2人って…いわゆるデートですよね!?
頭の中でパニックを起こしながらある事に気付いた。

「もしかしてそのた…2人にするために帰ったの??」

『ん?…あぁそんなとこ』

私は沙雪の言葉を信じてて、帰ったのは実は違う事だったなんて気付いてなかった。

「そっかぁ。ありがとう。ねっ今度は2人で違う所遊びにいこっか?」

『アンタと健也で…?』

「ちがうよー」

『気が向いたら』

素直じゃないなぁ。
でもこれは遊びに行って良いってことだよね。
良いように解釈をする私。

「じゃあ約束ねっおやすみヒーロー…」

『最後の一言意味不明。まだおやすみは早いしっつかアンタさ…』

「スー…」

『寝てんのか…アンタに電話代かかるっつーのに。
土屋亜珠!!』

「はぃぃぃ!?!?」

私は電話越しの大きい声に目を覚ました。

「ごっごめ」

『アンタさ…今日入寮する日じゃなかった?』

沙雪の言葉でハッとする。
そっそうだ!!私なんで家に帰って来ちゃってんの!?
だから帰って来た時おばあちゃん不思議な顔してたのかぁ…。

「いっ今からいくから!!」

と言って私は電話を切り急いで寮に向かった。

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