オレンジヒーロー
「安西とは必要最低限しか関わらないほうがいい。」
「なんでー?」
「あんた、身の危険を感じた事ない訳?
アイツと深く関わったら襲われる」
襲われる?って事は、殴られるの!?
安西くんって危ない人なの!?
「じゃっじゃあ沙雪も殴られたの?」
「は?殴ら…はぁ…
あんたやっぱ天然?
そういう意味じゃないし」
「じゃあどういう…?」
沙雪は
「あんたにはまだ早かったか」
と言って先に歩いていった。
学校案内とか言いながら
私の事おいて行っちゃ意味ない気がするんだけど…
やっぱり怖くて言えない。
「…ここで最後かっ…化学準備室」
「?ここ使うの?」
「いや…言っておく。
何があってもこの教室には入るな。」
「なんで?」
「いいから!わかった?」
「うんっ」
沙雪は真剣な表情でいった。
そんだけ危ない所なのかな…少し気になるけど…。
「じゃあ終わり。
早くかえりなよ」
「ちょっ沙雪…あっありがとね」
沙雪は私に背を向けたまま軽く片手を手をあげた。
そっけないなぁ…。
私はもう一度グラウンドに向かった。
別に、意味はないけど。ただ健也君をみに。
グラウンドの隅っこでしばらく眺めていると健也君が気付いてくれた。
「どした?」
「あっいや楽しそうだったから」
「そっか。あっ土屋っメアド教えて」
「あっうんっ」
健也君にメアド聞いて貰えるなんて…嬉しいなぁ…。やっぱ私、健也君の事好きみたい。
「ちょいまてっ俺にも教えてよー」
「あ、忘れてた…いいよーメールしてねー」
「絶対するしっ土屋亜珠ちゃん可愛いなぁー
やっぱ佐伯がいないと喋りやすいー」
「佐伯に殴られるぞっ」
私はクスクスと笑った。そして疑問だった事をきいてみた。
「安西君って沙雪のこと殴った事あるの?」
「は?何それっないないっなんでー?」
「あっそうなんだっ沙雪が安西君と関わったら襲われるって…」
私の言葉をきいて安西君と健也君は爆笑した。
「「天然?」」
「それ、沙雪にも言われたんだぁ…」
「まっ大丈夫ー殴りはしないからー!」