オレンジヒーロー
バンッ
大きな音が化学準備室に響いた。
鍵がかけられていたドアが開いた。
「…安西君…沙雪…?」
「ココに入んなっつったのに…」
沙雪は怒りながら2年生を睨む。
「あらら、佐伯沙雪さん?と誰だお前」
「名乗る必要ねぇよ」
安西君がしかめっ面で話す。
「偉そうな奴は嫌いだなっ」
2年生の数人が安西君に殴りかかった。
が全部避けて逆に安西君が2年生を殴っていく。
「佐伯さん、大人しくしてれば何もしないよ?」
「無理」
「じゃあ無理矢理ねじ伏せるまでだな」
残りの数十人もの2年生がでてきて安西君と沙雪に殴りかかった。
…数分後…
「ったく俺がいて良かっただろ」
「アタシ1人で十分だった」
「素直じゃないなぁ」
「それより…」
沙雪はこっちをみた。
怒られる!!と思って体をビクッとさせた。
「怪我は?」
「ふぇ…ないよ…」
「良かったじゃんっ佐伯、走ったかいあったな!」
「うっさい。ったく騙されやすいな。入んなっつったじゃん」
「ごめっ」
私は2人の顔の傷をみた。
私のために…そう思うと涙が溢れた。
「!!沙雪…安西君!危ない!!」
「「しつこい」」
背後からリーダーらしき人が金属バッドを持って2人に襲いかかった。
沙雪がリーダーらしき人の顔面を殴り安西君が金属バッドを奪い
倒れこんだリーダーらしき人に突き付けた。
「これ以上やんのか」
「今回はこんくらいにしといてやる…けど俺らはこんだけじゃないんだよ。まだいっぱいいる。」
その言葉を聞いて私は怖くなった。
「怖い…」
「「仕方ないな。」」
2人が口を揃える。
「あたしが
「俺が
あんたを守ってやるよ」」
オレンジの香りの彼女と
オレンジの髪色の彼が
この日から私の
ヒーローになった。