恋乃仕方
「ってことで麻紀ちゃんゴメン!先帰ってて!」
「いいなぁ〜恵子〜。
青山君と日直だなんて〜羨ましいかも。
ま、恵子責めても仕方ないか!
頑張ってね日直!」
「うん、本当にゴメン!」
放課後、麻紀ちゃんとバイバイして
あたしは先に日誌を書いてる青山くんに続いて、日直の仕事に取り掛かった。
「ねぇ石井さん」
「な…何?」
「あれ、今度はちゃんと反応してくれた」
「え?」
「今日話し掛けたのに全然反応しなかった」
「あ…あれは〜あの〜」
「無視してるのかと思ったよ。
ガン見しながら(笑」
「それはえと〜その〜」
「ま、今度は反応してくれたから良いんだけど。」
「あ、すみません」
ふっと笑うと彼は日誌に目を落とした。
思った以上に喋りやすそうな印象で
あの淡泊な自己紹介の人には思えない
人気の理由も分かる。
ってか、あたしの吃り具合半端じゃないし(泣)
絶対変な子って思われた〜
人見知りを恨むよ〜
そう心で唱えながら黒板を綺麗にした。