恋乃仕方
「ぐずっっ…」

「花香辛かったね…。

って恵子泣きすぎ!!!!!」

「だってぇ〜…ぐずっっ…花ちゃんがぁ…

ぐずっっ……可哀想すぎるよぉ……うぅっっ」

「確かに、花香は何も悪いことしてないね。

だけど、相手の彼女からしたら、

花香という幼馴染の存在は怖いのかもね。

現に花香はケンくんが好きなわけだし

女の勘は鋭いしね」

「なんでぇそんなに麻紀ちゃんは冷静なのぉ…ぐずっっ!

だって、花ちゃんはとっても近くにいるのに

気持ちを言えないんだょぉ?…ぐずずっっ」

「ありがとう恵ちゃん。

そう言ってもらえるとすごくうれしいしよ。

でも麻紀ちゃんの言ってることって正しいでしょ?

私の好きでしてることだから、良いんだ。」

「花香はこれからもその片思いを続けていくつもりなの?」

「うん。…待ってみる。

ケンくんが私のほうを見てくれるまで。」

「そう、あたしも泣き虫恵子も花香の味方だから

何かあったらすぐに言ってね!!

力になれることがあるなら何でもするからさ!!!」

「ぞぉーだょぉ!!!…ぐずずずっっっ!!!

あだじも応援ずるーーー!!!!」

「ありがとう、恵ちゃん、麻紀ちゃん」

「うん。あーはいはい、

恵子はとりあえず鼻水を拭こうね〜」

「はぁ〜いっ…ぐずっ」

「ふふふっ。」


あたしは麻紀ちゃんになだめられ、

花ちゃんは笑顔だった














いつもなら他の人の恋ばな聞いたって

泣いたことなかったのに、

こんなにも涙が止まらなかったのは

本当に花ちゃんがかわいそうだったから?

どこかあたしは自分を重ねてはいなかった?

思いを告げない辛さが怖くなったから?

花ちゃんはとっても強かった。

叶わないって思ってて、相手を好きでいることって

あたしにはできるの?

あたしの中にある青山君への思いは

どれくらいの強さなんだろう。
< 32 / 37 >

この作品をシェア

pagetop