恋乃仕方
それから麻紀ちゃんと花ちゃんとばいばいして、

家に帰ってお風呂に入って

いつも通りの行動をしていたのに

頭の中は青山君でいっぱいだった。



花ちゃんはずっとケンくんのことを好きでいて

嫌がらせされてもケンくんのこと好きだから

我慢できたという。

ケンくんは花ちゃんが嫌がらせを受けてると知ると

彼女を叱るのだという。

少しでも自分のことを考えてくれているのが嬉しい反面、

毎回「ただの幼馴染」というポジションの現実を知って泣いていて。

だけど、花ちゃんの目には力があった。

瞳は強い力を放っていたと思う。

あれが恋する女の子の力なのかな…

あたしも麻紀ちゃんも同じような目をしているのかな…

あたしの青山くんを思う気持ちなんて

花ちゃんのケンくんを思う気持ちに比べたら

すんごく小さいものだと思う。

今にも消えてしまいそうな光。

自分で消そうとしまってる光。



そうだ、あたしは青山君に寄せる気持ちを自分で

消そうとしたのに、また思い出してる。



火のついたろうそくを閉じ込めて

酸素を奪って消そうとしてる。



なのにまたあたしはその蓋を開けて

酸素を取り込んでしまった…



また火は消えそうにないよ…












あたしはぎゅっと目をつむって

必死に眠った。
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