恋乃仕方
昼休み、教室でお弁当を広げながら話題は今朝の話のままだった
「にしても恵子さぁ〜?」
「ん?」
「家からクラスまであの組み合わせの靴下だったんでしょー?」
「んぁー、そーなりますかね?」
「もー、呑気だね。ちょっとは誰かに見られたかも〜みたいな恥じらいは無いわけ?」
「えー。だって朝はマッハで登校するし?そんな距離で誰にも気付かれないでしょ」
「ふぅ〜ん…って、通学路だから学生いっぱいいるでしょ!?」
「バレタ?」
「も〜」
「あはは〜」
そんな会話の中でふと
本当に偶然なんだけど
廊下に目が行った
-----誰?
「ねぇ!麻紀ちゃん!あれ誰?」
「えっ、何?」
「ほら、廊下の!」
「え?誰もいないじゃん」
「…あれ?おかしいなぁ…」
「も〜恵子は人騒がせだね」
「あはは、ごめんごめん」
「い〜けど」
それからすぐにそのことは忘れてしまっていた