恋乃仕方

一目惚櫑 ﾋﾄﾒﾎﾞﾚ

｢初めまして｡
青山鹿波(ｱｵﾔﾏｶﾅﾐ)です｡
どうぞよろしく｡｣





なんて淡泊な自己紹介だろう

彼はそれだけ告げると用意された席に座ってしまった


｢青山〜それだけか〜
まぁいいか〜では教科書をだして〜…｣









青山鹿波と名乗った彼は

カッコイイと言うよりは
可愛いが似合うような

背は高くはないが調度良い
髪は自然にセットされた亜麻色で

どこか凜としていた









それにしても

鹿波だって

変わった名前だな〜

平凡な名前の私とは大違いだな〜




｢ねぇ、麻紀ちゃん。
この前さ廊下見てって言ったときのは青山くんだったみたい。
なかなかカッコイイ人だね〜｣

｢……｣

｢ま…麻紀ちゃん？｣

｢えっ、あっ、何?！恵子｣

｢麻紀ちゃん、顔赤いよ〜！
もしかして、タイプ？｣

｢ち…ち…違うよ〜！！
…ただ…｣

｢ただ？｣

｢良さそうな人だなって…｣

｢ふーん♪｣

｢も〜恵子〜からかわないで｣

｢ごめんごめん〜♪｣





ってかそもそも麻紀ちゃん

あの淡泊な自己紹介で

よく良い人とか思えるな〜



そんな感じでその日は何もなく過ぎた

彼が転校してきたってこと以外は