腐り鎖のグサリ
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すべてが連鎖していくのでしょう。私は泣いてしまいました。その涙が頬を伝いました。伝った涙を息子が目撃しました。息子は訊ねてくれるのです。お母さんどうしたのって。

すべてが連鎖していくのでしょう。私はなんでもないのよと息子に答えました。そしてその小さな体を抱き締めてあげました。いいえ違うのです、私はその小さな体にしがみついたのであって、本当は、「大丈夫?」と訊ねてくれる息子こそが私を抱き締めて、支えてくれているのです。

すべてが連鎖していくのでしょう。息子が背中を撫でてくれました。その手はまだ小さかったのですが、なぜだかとても頼もしくて、ああこんな息子を持った私はなんて幸せだろうと思いました。思った反面で、どうしてこんなにいとおしい息子があの人の血を半分受け継いでいるのかと腹立たしくもなり、そしてどうしようもないほどに悔しく、やるせなくなりました。私は息子を抱き締めてただただ泣くことしかできませんでした。

すべてが連鎖していくのでしょう。
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