腐り鎖のグサリ
息子が『できた』笑顔を贈ってくれた夜、私はまたあの人が拳を振り上げるのを見ていました。見ていることしかできませんでしたし、それが私の顔へ落下してくるのを止めることなんて到底不可能でした。私は泣くばかりなのです。泣いて、たたみにうずくまって、あの人が落ち着くのを祈って、ただ肩を震わせていることしかできませんでした。
すべてが連鎖していくのでしょう。
いいえ、ひとつだけ、そうです心の中では、息子だけには、どうか息子だけにはその拳が向かないことを切に祈っていました。私にアザができるのはまだいいのです。けれどお願いだから、あの子のあの小さな頬に、細い手足に、私のようなアザを負わせないでください。あの子の首に、私の手足、首やいたるところへ繋がっているような腐った鎖をかけないでください。
ただただそればかり、啜り泣きながら心の中で祈るのです。祈ることで私はこの人をやり過ごすのです。あの子さえいたなら、あの子がいてくれるから、私は平気なのです。だから私のあの子だけはどうかと祈る以外に、私ができることも、することもありません。
すべてが連鎖していくのでしょう。
すべてが連鎖していくのでしょう。
いいえ、ひとつだけ、そうです心の中では、息子だけには、どうか息子だけにはその拳が向かないことを切に祈っていました。私にアザができるのはまだいいのです。けれどお願いだから、あの子のあの小さな頬に、細い手足に、私のようなアザを負わせないでください。あの子の首に、私の手足、首やいたるところへ繋がっているような腐った鎖をかけないでください。
ただただそればかり、啜り泣きながら心の中で祈るのです。祈ることで私はこの人をやり過ごすのです。あの子さえいたなら、あの子がいてくれるから、私は平気なのです。だから私のあの子だけはどうかと祈る以外に、私ができることも、することもありません。
すべてが連鎖していくのでしょう。