後ろの席の君
「何食べる?あたしがおごってあげるよ。助けてくれたお礼に……。」
「オーありがと。じゃぁ何にしよっかなぁ……。」
ニッ、また笑った。
かわいいなぁ・・・。
京はあの時のことには一切触れなかった。
ちょっとの優しさがあたしにはすっごく嬉しく思えた。
「俺これがいいっ!!林檎飴(リンゴアメ)」
「すいません、これ2つください」
「あいよー!!!」
屋台のおじさんからお釣りをもらって、またあのベンチへと向かった。
「ねぇ・・・京……」
「ん?」
京のきれいな瞳があたしを真っ直ぐに見つめる。
「6月のこと……あんな酷い事言ってごめん。…・・怒ってる・・・・・・よね?」
「んーん!!!全然怒ってなんかねぇーよ!!!むしろ俺が誤解してた事言っちゃってごめん」
違うよ…・・・。本当は京のことを好きっていえない自分がいやなんだよ。
京のせいじゃないよ・・・・・・?