後ろの席の君
『コツン』
あっ,来た・・・。
『え・・・。もしかして・・・幼稚園の時一緒にいた?』
は?・・・・・・ん?なんか覚えがあるような。
「あーー!!!」
思いっきり大声を上げてしまったあたしは,みんなの注目をいっせいに浴びてしまった。
「宮崎ー。お前入学早々寝てたのかぁー?」
先生がそういうと,みんながどっと笑出だす。

後ろにいた京も。

もう・・・あんたのせいだよ・・・!!!

『思い出したよ。京,小学校入って急に転校したんだっけ?』

そう,京は幼稚園まであたしの隣に住んでた一番の仲良しだった。
小学校でも一緒だと思っていたあの京が,居なくなっていたのはビックリしたけど,あたしも子どもながらに,うすうすきずいてた。
 いつもニコニコしていた京が,遊びに行ったときおでこに青あざができてたのを覚えていた。その日の帰り道,京のお母さんに
「もう京に合わないでほしいの。ごめんね」
と言われた。
それからというもの,京とはあまり話さなくなった。

そして小学校の入学式,京の姿はなかった・・・。
< 3 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop