最 後 の ラ ブ レ タ ー 。
 私の顔が一瞬で青ざめる。


 気がついたら大吾に手をひかれ、屋上まで連れて行かれた。

 屋上でイチャついてたカップル達は、大吾の恐ろしい表情に気づいてそそくさと逃げていった。

 誰もいない屋上に、ジリジリと輝く眩しい太陽。

 その太陽以上に、熱気を感じる。
 ……目の前にいる大吾。((汗



 大吾はじっと私の顔を見る。そんな大吾に負けじと、私も大吾の顔をにらみ返す。

 しばらく沈黙が続いた。

 その沈黙を最初に破ったのは、大吾だった。


「ぷっ! ……ははっははは!」


 大吾は突然笑い出した。 

 私は何がなんだか分からなくて頭の上にハテナマークをいくつも浮かべた。


「あはは……お前、俺が怒ってんのかと思った? そんなおっかない顔してさ」


「?」


 いまだに状況をつかんでいない愛。そんな愛に、大吾は笑って言った。


「お前みたいな女、初めて」



 とにかく大吾が昨日の事に対して怒っていないという事は分かったので、ホッとした。



「俺はさ、正直言ってお前のことなめてたよ。それは認める。ごめんな。
 いつだって女は体目当てで俺に近寄ってくる。だから女はキス一つで簡単に落ちる。
 お前もそういう奴だって思ってた。でも驚いた、キスを拒んだ上に俺のこと殴った女は初めてだよ」


「///」


 自然と顔が火照ってくる。自分がしたことに、今更ながら反省した。


「ごめんなさい、いきなり殴って……」









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