今宵、月の照らす街で
レストランバー“Lily”。


静かな店内で、4人のケータイが光る。


「…A案?」


明奈はあずさから送られたメールの文を信じられないと言う表情で見つめる。


千鶴のケータイはメールと同時に着信が入る。


「多香子?」


姉の名前に反応し、成二はケータイから顔を離した。


「…わかったわ」


ケータイを切る千鶴は4人を見て口を開く。


「行くわよ」


「あの…A案て…?」


葉月が問い掛ける。


「政都宮内庁対策室契約特例A案…霊圧AAAが出現した場合、全メンバーは任務遂行の為に如何なる場合にもそれを最優先事項とする………要は私事はダメ、任務最優先、休む事なく闘えって事だ」


成二が素っ気なく応える。


どうやら既に臨戦態勢に入ったらしい。


「さて、葉月の成長ぶりでも見ようかな?」


明奈は少し余裕があるような感じだが、決して油断はしていない様子だ。


その姿に感化され、葉月も気を入れ直した。
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