今宵、月の照らす街で
凪家に生まれた者が持つ波動―――それは、猛き風をも鎮める龍の波動。
その波動は、陰を喰らい尽くしても尚、まだ暴れ足りないと言わんばかりに千鶴を中心にうごめく。
千鶴が軽く息を吐くと、龍の波動は静かに消えて行った。そのまま千鶴は杏里に連絡を取り、救護班の手配をする。
「すごい…」
千鶴が振り向くと、息を切らす葉月の姿があった。
「千鶴さん、あなたの気は何の属性ですか?」
傷付いた桜の下に歩く千鶴を追いかけながら、葉月が問い掛ける。
「如月と春日、凪は木火土金水全て。私達八龍は、多香子達程じゃないけど、風の気も少し、ね」
千鶴は右手に水の気を纏う。
「桜?大丈夫?今、杏里を呼んだから…もう少し待ってて」
その右手で桜に触れると、桜は小さく頷いた。
「ごめんなさい…ありがとう…」
千鶴は小さく頷く。
秋葉原でのイプシロンとの闘いは決着がついた。
「みんな…どうか無事で…」
千鶴は空を見上げる。政都宮内庁対策室の安否を知るのは、唯一、夜を照らす月だけ…
その波動は、陰を喰らい尽くしても尚、まだ暴れ足りないと言わんばかりに千鶴を中心にうごめく。
千鶴が軽く息を吐くと、龍の波動は静かに消えて行った。そのまま千鶴は杏里に連絡を取り、救護班の手配をする。
「すごい…」
千鶴が振り向くと、息を切らす葉月の姿があった。
「千鶴さん、あなたの気は何の属性ですか?」
傷付いた桜の下に歩く千鶴を追いかけながら、葉月が問い掛ける。
「如月と春日、凪は木火土金水全て。私達八龍は、多香子達程じゃないけど、風の気も少し、ね」
千鶴は右手に水の気を纏う。
「桜?大丈夫?今、杏里を呼んだから…もう少し待ってて」
その右手で桜に触れると、桜は小さく頷いた。
「ごめんなさい…ありがとう…」
千鶴は小さく頷く。
秋葉原でのイプシロンとの闘いは決着がついた。
「みんな…どうか無事で…」
千鶴は空を見上げる。政都宮内庁対策室の安否を知るのは、唯一、夜を照らす月だけ…