今宵、月の照らす街で
政都宮内庁庁舎
梅宮カオルと小龍沢多香子との闘いは、一方的な展開だった。
多香子との闘いを避け、惨事の中で生き残る人々を、問答無用に殺し続ける事を楽しむ梅宮。
それを追い、生存者を護り続ける多香子。
そして、多香子の耳についた小型トランシーバーからは、各地の戦況が直接伝えられ、対策室のメンバーの死亡を聞く度に胸が痛くなる。
それでも、今、目の前の殺戮を止めなければ、また多くの人間が死ぬ。
多香子は愛刀を手にしながら、瓦礫だらけのロビーを駆け抜けた。
「いい加減になさい!」
多香子が脚を止め、その慣性を利用して刀を薙ぎ払った。
その瞬間に、ロビーに突風が吹き荒れる。
それは意思を持つ様に動き、多香子の前を走る梅宮の身体だけを捉えた。
「ガっ…!?」
梅宮はそのままロビーの外へと圧され、地面へ叩き付けられた。
だが、何事も無かったかの様に立ち上がる。
「やっと捉えたか。遅いじゃない」
梅宮がニタりとする。
「調子に乗らないで。もう貴方の好きにはさせない。力ずくでも貴方の目的、吐いて貰うから!」
多香子との闘いを避け、惨事の中で生き残る人々を、問答無用に殺し続ける事を楽しむ梅宮。
それを追い、生存者を護り続ける多香子。
そして、多香子の耳についた小型トランシーバーからは、各地の戦況が直接伝えられ、対策室のメンバーの死亡を聞く度に胸が痛くなる。
それでも、今、目の前の殺戮を止めなければ、また多くの人間が死ぬ。
多香子は愛刀を手にしながら、瓦礫だらけのロビーを駆け抜けた。
「いい加減になさい!」
多香子が脚を止め、その慣性を利用して刀を薙ぎ払った。
その瞬間に、ロビーに突風が吹き荒れる。
それは意思を持つ様に動き、多香子の前を走る梅宮の身体だけを捉えた。
「ガっ…!?」
梅宮はそのままロビーの外へと圧され、地面へ叩き付けられた。
だが、何事も無かったかの様に立ち上がる。
「やっと捉えたか。遅いじゃない」
梅宮がニタりとする。
「調子に乗らないで。もう貴方の好きにはさせない。力ずくでも貴方の目的、吐いて貰うから!」