今宵、月の照らす街で
『陰の柱から霊力減退確認、結界の遮蔽力も落ちています。成功です!』
あずさの声に、5人が安堵の息を漏らした。
『え…?ま…待ってください!』
あずさの焦りと同時に、江戸城迎賓館上空に、陰の渦が現れた。
「何…あれ…」
そして、目の前の黒い、陰の柱が、鮮血の色に染まる。
『室長!新たな霊的特異点発生!!観測予測値レッドゾーン突入!』
多香子の本能が、けたたましく警鐘を鳴らした。
「みんな、庁舎に戻って!!あずさちゃんは結衣、杏里さんに連絡!仮庁舎に緊急障壁を展開して!」
多香子が駆け出しながら叫ぶ。仮庁舎では多香子の指示に、結衣と杏里が緊急障壁を発動する。
八龍と室長しか使えない、緊急防御壁は、唸りを上げて起動した。
それを見計らった様に、陰の渦から紫電が疾った。
それは障壁を貫通し、仮庁舎の深部へと突き進む。
『仮庁舎に正体不明の力が直撃!対象は地下拘束室に到達しました!』
―――拘束室…葉月ちゃん!!
その報告に、多香子の地面を蹴る力が強くなる。
風の気をフルに発動させた多香子は、言葉通り、風になり、間もなく仮庁舎前の広場に辿り着いた。
結界の破壊に当たった他の四人も、次々に戻ってくる。
しかし五人の粗い息遣いだけが聞こえるだけで、恐ろしい程の静けさが広がる。
そこに、突然、今まで感じた事の無い殺気が広がり、大気を震わせた。
あずさの声に、5人が安堵の息を漏らした。
『え…?ま…待ってください!』
あずさの焦りと同時に、江戸城迎賓館上空に、陰の渦が現れた。
「何…あれ…」
そして、目の前の黒い、陰の柱が、鮮血の色に染まる。
『室長!新たな霊的特異点発生!!観測予測値レッドゾーン突入!』
多香子の本能が、けたたましく警鐘を鳴らした。
「みんな、庁舎に戻って!!あずさちゃんは結衣、杏里さんに連絡!仮庁舎に緊急障壁を展開して!」
多香子が駆け出しながら叫ぶ。仮庁舎では多香子の指示に、結衣と杏里が緊急障壁を発動する。
八龍と室長しか使えない、緊急防御壁は、唸りを上げて起動した。
それを見計らった様に、陰の渦から紫電が疾った。
それは障壁を貫通し、仮庁舎の深部へと突き進む。
『仮庁舎に正体不明の力が直撃!対象は地下拘束室に到達しました!』
―――拘束室…葉月ちゃん!!
その報告に、多香子の地面を蹴る力が強くなる。
風の気をフルに発動させた多香子は、言葉通り、風になり、間もなく仮庁舎前の広場に辿り着いた。
結界の破壊に当たった他の四人も、次々に戻ってくる。
しかし五人の粗い息遣いだけが聞こえるだけで、恐ろしい程の静けさが広がる。
そこに、突然、今まで感じた事の無い殺気が広がり、大気を震わせた。