今宵、月の照らす街で
私立清明館学園高校2年B組教室に入ると、クラスメイトが一斉に成二を見る。


「小沢〜あけおめ!」
「小沢君、久しぶりっ」


「あぁ、今年もよろしく」


久しぶりのクラスメイトとの会話を続けてると、始業ベルが鳴り、担任のキョウコちゃんこと和泉恭子[イズミキョウコ]が入って来た。


「あけましておめでとう!今日からみんなのクラスメイト増えるよ。さ、おいで」


ざわっとするクラスの中に、金髪の女の子が入って来た。


「はじめまして。フランスから来たソフィ・キサラギです」


ブロンドで蒼い瞳からの視線が、何故か成二とぶつかる。


―――何だ?


そのまま観察を続けていると、転入生は人差し指で小さく投げキスをして来た。


―――何なんだ、一体…。


「とりあえず、成二の隣空いてるから、そこに座って?」


なるほどね、と隣にあった空席の意味を理解する。


「よろしく、セージ」


ぼーっと空席を見ていると、ソフィが声をかけてきた。


「あ、あぁ…」
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