今宵、月の照らす街で
「…凪千鶴か」
天玉院の間の、本来なら蓮舞天照院当主のみが座る事を許される玉座には、陰の気を従えた男が座していた。
その隣には、蓮舞天照院当主・時宮が両手を槍で射抜かれたまま倒れていた。
「やりすぎね、月那主宮」
千鶴を筆頭に、10人が廉明に近寄る。
「宮内庁内部部局長官官房陰陽課対策室の名に懸けて、貴方を逮捕します」
「…ほう。たかだか分家の人間が愚問を」
「勘違いしないで。多香子は来るわ」
「力を使い果たしたのに、か?」
廉明がニヤリとする。
「…貴方、多香子を知らないのね」
「…何?」
千鶴の笑顔に、廉明の顔が強張る。
「多香子は絶対に貴方を潰しに来るわ。血を吐いてでもね。だから今のうち、覚悟なさいますように」
天玉院の間の、本来なら蓮舞天照院当主のみが座る事を許される玉座には、陰の気を従えた男が座していた。
その隣には、蓮舞天照院当主・時宮が両手を槍で射抜かれたまま倒れていた。
「やりすぎね、月那主宮」
千鶴を筆頭に、10人が廉明に近寄る。
「宮内庁内部部局長官官房陰陽課対策室の名に懸けて、貴方を逮捕します」
「…ほう。たかだか分家の人間が愚問を」
「勘違いしないで。多香子は来るわ」
「力を使い果たしたのに、か?」
廉明がニヤリとする。
「…貴方、多香子を知らないのね」
「…何?」
千鶴の笑顔に、廉明の顔が強張る。
「多香子は絶対に貴方を潰しに来るわ。血を吐いてでもね。だから今のうち、覚悟なさいますように」