今宵、月の照らす街で
「どきなさい!!」
明奈と千鶴が、黒い壁となって迫る魔の軍団を突破しようと攻め込む。その向こうに立つ、対峙した二人。
成二の左手に、蒼い炎が静かに宿る。
「波動…か?」
アナンベルの呟く通り、その炎の正体は、小龍沢家の、嵐の波動。
「波動を左手に凝縮し、エネルギーのロスを最小限に抑えた…と言った所か?」
構えを崩さないアナンベルが微笑む。
「ならば、嵐には嵐で応えよう」
アナンベルを中心に、突如嵐が噴き荒れ始める。
「!!!」
その嵐は総てを喰らい、総てを消す、破壊の象徴。それを離れて目にした紘子が、一歩下がって囁いた。
「アナンベル………思い出した………。父さんの………力を奪った人………」
その男が、弟に刀を構えている。殺気を乗せた、刃の風を散らしながら。
「成二………!」
魔に囲まれながら、紘子は弟の身を案じる。
その姉の想いも虚しく、対峙する2つの嵐が一瞬静まり、次の瞬間、激しくぶつかり合う音が衝撃となり、天玉院の間を支配した。
明奈と千鶴が、黒い壁となって迫る魔の軍団を突破しようと攻め込む。その向こうに立つ、対峙した二人。
成二の左手に、蒼い炎が静かに宿る。
「波動…か?」
アナンベルの呟く通り、その炎の正体は、小龍沢家の、嵐の波動。
「波動を左手に凝縮し、エネルギーのロスを最小限に抑えた…と言った所か?」
構えを崩さないアナンベルが微笑む。
「ならば、嵐には嵐で応えよう」
アナンベルを中心に、突如嵐が噴き荒れ始める。
「!!!」
その嵐は総てを喰らい、総てを消す、破壊の象徴。それを離れて目にした紘子が、一歩下がって囁いた。
「アナンベル………思い出した………。父さんの………力を奪った人………」
その男が、弟に刀を構えている。殺気を乗せた、刃の風を散らしながら。
「成二………!」
魔に囲まれながら、紘子は弟の身を案じる。
その姉の想いも虚しく、対峙する2つの嵐が一瞬静まり、次の瞬間、激しくぶつかり合う音が衝撃となり、天玉院の間を支配した。