今宵、月の照らす街で
床に叩き付けられた多香子だが、すぐに風を使って廉明の頭上へ飛び、見上げた廉明に斬りかかった。
月輪と嵐紋がぶつかり、綺麗な音を鳴らす。
その音が間隔をだんだん狭め、点が線へと変わり、龍を纏う者と甲冑を纏う二人が一歩も動かず、数多の攻防が繰り広げられた。
成二は、その闘いにアナンベルとの闘いを思い出したが、同時に己のレベルの低さを痛感する。
成二が歯を噛み締めた瞬間、紘子が姉の危険を感じ取った。
「姉さん!」
その視線の先で、多香子の纏う龍を吸収する廉明の姿が見えた。
多香子が慌てて攻撃し、その吸収を妨げる。
一体の龍が消え、多香子は無意識に欠けた龍を復活させた。
その多香子を余所に、廉明は自らの手に風が宿っていることに、汚い笑みを浮かべる。
『コれが風!!コれが小龍沢の血なのカ!!』
たった一匹の龍を吸収した廉明が、嵐を支配し始める。
多香子は冷静に、廉明が自分に触れながら陰を発現した事を思い出した。
「同化…陰の特性ね…!」
月輪と嵐紋がぶつかり、綺麗な音を鳴らす。
その音が間隔をだんだん狭め、点が線へと変わり、龍を纏う者と甲冑を纏う二人が一歩も動かず、数多の攻防が繰り広げられた。
成二は、その闘いにアナンベルとの闘いを思い出したが、同時に己のレベルの低さを痛感する。
成二が歯を噛み締めた瞬間、紘子が姉の危険を感じ取った。
「姉さん!」
その視線の先で、多香子の纏う龍を吸収する廉明の姿が見えた。
多香子が慌てて攻撃し、その吸収を妨げる。
一体の龍が消え、多香子は無意識に欠けた龍を復活させた。
その多香子を余所に、廉明は自らの手に風が宿っていることに、汚い笑みを浮かべる。
『コれが風!!コれが小龍沢の血なのカ!!』
たった一匹の龍を吸収した廉明が、嵐を支配し始める。
多香子は冷静に、廉明が自分に触れながら陰を発現した事を思い出した。
「同化…陰の特性ね…!」