今宵、月の照らす街で
「成二」
姉が弟の瞳を覗き込む。
「切る重みを知りなさい」
―――切る…重み…?
「成二の闘い方は、臆病な弓兵と同じか…それ以下だよ?」
そう言われた事にショックを隠せない表情を浮かべる。
…確かに、多香子の言う事に間違いは無い。剣をただ放つだけの闘いも、また事実だ。
だが、成二の闘い方だって今まで通用してた。
その葛藤が成二の心をギュッと締め付ける。
「成二…」
―――あ…
血だらけの成二を、多香子は抱きしめた。
「…ごめんね、今、辛かったね」
優しい手が、頭に触れる。
「成二はね、今まで頑張ってきたよ。でもね、いい?自らの手を汚さず闘うのは、小龍沢の運命から逃げ出す事になる…」
多香子は顔を真正面にして、額をコツンと合わせる。
「成二は優しい子だから…自分の手でとどめ、さしたくないのわかるよ?でも、闘いに身を置く以上、自分の罪を、その両手に背負いなさい?そうやって、強くなりなさい」
姉が弟の瞳を覗き込む。
「切る重みを知りなさい」
―――切る…重み…?
「成二の闘い方は、臆病な弓兵と同じか…それ以下だよ?」
そう言われた事にショックを隠せない表情を浮かべる。
…確かに、多香子の言う事に間違いは無い。剣をただ放つだけの闘いも、また事実だ。
だが、成二の闘い方だって今まで通用してた。
その葛藤が成二の心をギュッと締め付ける。
「成二…」
―――あ…
血だらけの成二を、多香子は抱きしめた。
「…ごめんね、今、辛かったね」
優しい手が、頭に触れる。
「成二はね、今まで頑張ってきたよ。でもね、いい?自らの手を汚さず闘うのは、小龍沢の運命から逃げ出す事になる…」
多香子は顔を真正面にして、額をコツンと合わせる。
「成二は優しい子だから…自分の手でとどめ、さしたくないのわかるよ?でも、闘いに身を置く以上、自分の罪を、その両手に背負いなさい?そうやって、強くなりなさい」