今宵、月の照らす街で
「もしもし」
オペレーターのあずさからの着信で、多香子はまたケータイを手にした。
「室長!別働隊として霊的異常発信源に派遣した弐番隊が全滅。部隊の生存者…ありません…ただ、紘子は重症ですが、生きています」
―――え?
部隊が全滅なんて、聞いたことが無い。
ましてや紘子が居ながらそんな事態に見舞われる事を、多香子は全くと言っていいほど考えていなかった。
多香子には性質の悪い冗談とか…誤情報としか思えなかった。
「…場所は?」
「日比谷公園にて紘子を保護、死体発見は警視庁ヘリポートです」
場所は近い。一刻も早く向かいたい衝動に駆られた
「第一級警戒体制を敷きます。各局に発令して頂戴」
「了解」
通信が切れて意識をこの場に戻すと、千鶴が近くにいた。
「…ここは任せて」
話を聞いていた為に事態を呑めていた千鶴に、多香子はただ黙って頷き、車に乗り込んだ。
オペレーターのあずさからの着信で、多香子はまたケータイを手にした。
「室長!別働隊として霊的異常発信源に派遣した弐番隊が全滅。部隊の生存者…ありません…ただ、紘子は重症ですが、生きています」
―――え?
部隊が全滅なんて、聞いたことが無い。
ましてや紘子が居ながらそんな事態に見舞われる事を、多香子は全くと言っていいほど考えていなかった。
多香子には性質の悪い冗談とか…誤情報としか思えなかった。
「…場所は?」
「日比谷公園にて紘子を保護、死体発見は警視庁ヘリポートです」
場所は近い。一刻も早く向かいたい衝動に駆られた
「第一級警戒体制を敷きます。各局に発令して頂戴」
「了解」
通信が切れて意識をこの場に戻すと、千鶴が近くにいた。
「…ここは任せて」
話を聞いていた為に事態を呑めていた千鶴に、多香子はただ黙って頷き、車に乗り込んだ。