雲の上の存在
プロローグ
人に恋をするということは、
その分、苦しむ覚悟をしなくちゃいけないんだ。
恋が結ばれたら、
幸せは2倍、苦しみは半分になる。
それは二人が想い合っていたら、の話だよ。
誰かが結ばれたら、誰かが悲しむことになる。
結局、幸せな終わりなんて来ないんだ。
あたしは、ずっとそう思ってた。
あなたはいつもそうやって
あたしを子ども扱いする。
ちょっとは女だって認めてよ。
もうこんなに大きくなったんだよ?
―――……あなたは雲の上の存在なんだ。