雲の上の存在

「なーんも。進展なしだよ。」



翔ちゃんたちサンライズは、本当に朝から晩まで忙しそうに働いている。
たまに遊びに行くけど、個人の仕事が多いせいか3人が揃っているところを最近は見ない。



『そおか〜。あたし、玲奈には良い恋してほしいんだー』



「春はさ、好きな人出来た?」



『あたし?出来るわけないじゃん(笑)』


「そうだね(笑)」


『それ、どーいう意味〜!?』



あたしは校門が見えてきたから「そーいう意味!」と言いながら走る。



後ろから『なにそれー!!』と怒るフリをした春が追いかけてきている(笑)

(春、可愛いからすぐに彼氏なんか出来ると思うんだけどな…)



ガラララ…

あたしが教室に入ると、一斉に皆が注目してきた。

『玲奈〜!久しぶりじゃん☆』

『仕事、忙しそうだねえ!TV見てるよ〜っ』

口々に聞こえてきた声。

「みんな久しぶり〜」

簡単な挨拶だけ済ませて、自分の席に腰をかける。

『玲奈〜、お前すっかり芸能人だな(笑)』

あたしをお前よばわりする、この男は田崎拓(たざき たく)。

赤色のつんつん頭でド派手なピアスをしている、いわゆる『不良』だ。

< 11 / 45 >

この作品をシェア

pagetop