雲の上の存在
ぐちゃぐちゃ
―――……
『お嬢様、お帰りなさいませ。』
あの後、里穂さんに家まで送ってもらった。
〈何か知ってる?〉
〈…知りません。〉
〈…分かった。じゃあさ、何か分かったら私に連絡頂戴ね!〉
本当に何も知らない。
最近の翔ちゃんなんて知らない。
昔は良く遊んでもらった。翔ちゃんは覚えてるのかなあ。
あのときは、良くからかわれた。子ども扱いされた。…まあ、子どもだったんだけどね(笑)
急に、翔ちゃんが遠く感じた。
あたしの知らないところで、知らない人と出逢ってるんだ。
里穂さんを断ってるっていうことは、もう彼女がいるのかもしれない。
もう25歳なんだからSEXだってしてしまってるよね。
彼女だってたくさんいたと思う。
サンライズなんて人気なんだから女に困るわけないか。
(しかも里穂さんの連絡先まで知ってしまったっ!…最悪だあ〜っ)
1人でそんなことを考えていると、笑えてきた。
「…ぷ。(笑)ネガティブ玲奈ちゃん参上ーっ!…まぢ笑える〜!」
(…虚しいね、やめよ。)