雲の上の存在


米山美樹が泣き出した。



『…だから神崎さんの知らない、下校中とか家の中の田崎くんを見て優越感を感じてたの…。』



あたしは少し、引いてしまった。

それの何が優越感なんだろう。





『本当にごめんなさい!』


「どうする、拓?」



拓は、あたしの前に出てきた。


『こっちは毎日ストーカーやられて良い気しなかったんだ。もうしないって、約束出来るか?』




『…はい。でも、最後に言わせて?言ったら諦めるから……私、田崎くんのことが本気で大好きだった。』




『…サンキュ。でも…俺には、好きな奴がいるから。ごめん。』




(え!?拓に好きな子なんていんの!?)





『…分かってたよ、田崎くん(笑)頑張ってね。』



(え、分かってたの!?)



『おう♪』




(なんか勝手に解決しちゃったしっ!)




『あ、そういや米山、なんで玲奈にメールしてって五月蝿かったんだ?』



『そんなの田崎くんについて知るためだよ…利用しようとして、ごめんなさい神崎さん。』



「あっ!いやいや大丈夫だよ!結局、メールの返事してないしね(笑)」

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