奏。‐カナデ‐





…「えーじゃあ、さっきの教科書の問題の答えを・・・松本、答えて」

えー!
やばいやばい当たっちゃった!
教科書無いんだから、分かるわけないじゃん~

バッと、片瀬の方を見た。
片瀬のせいだよ~(←忘れた自分が悪い)

片瀬は、あたしに向かって小さな声で言った。

「・・・答え、12。」


「えっ―」

「お~い、松本分かんないか?」

「えっあ~12?!」

正解。と先生が頷いて問題の解説をしていく。


片瀬を見ると、机に突っ伏したままこっちを向いていた。

「・・・ありがと」

あたしが無愛想にそう言うと片瀬が笑顔で頷いたから、なんか恥ずかしくなって先生の話を聞いているフリをした。


・・・ずっと意識の中に、片瀬がいたけど。











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