奏。‐カナデ‐
「咲弥ちゃ~ん、ピンクオーラ出てますよ♥」
「えっ?!」
「片瀬かぁ~またレベル高いとこいきますねぇ」
「ちょっ奈々?!」
クラスの友達の奈々。
さっきの授業が終わってから、ニヤニヤしながら近づいてきたかと思ったら・・・。
「ちょっと、それどーいう意味よ」
「ん~きちゃいましたか?ってこと」
『きちゃいましたか』って・・・。
「・・・・・・・・きちゃいました」
「素直でよろしい♥」
はい、きちゃいました
オチちゃいました
・・・・片瀬に。
・・・・悠人。
あたし、あのときのまま何も知らないで恋を突っ走れたらよかったのにな
知らなかったら、こんなに苦しくて悲しい思いもしなかったのに。
だけど、好きになったことを後悔したことは1度も無いよ。
・・・・幸せだったから。
たぶんきっと、知った今でも。