奏。‐カナデ‐





「え、あのあちらの彼氏さんから・・・」

店員さんが指差した先、居るのは片瀬。

片瀬、お金払ってる・・・?
・・・てゆーか、

「か、彼氏じゃないですっ!!」

「そうですか。」

くすくす笑いながら店員さんが言う。

「でも悠人があーゆうことするの珍しいのよ」

「えっ?」

「私、悠人の姉です」

「えっお姉さんですか?!」

「ええ。頑張ってね」

「あ、えっと・・・・」


「おい、いつまで話してんだよ」

ガシリ、と片瀬があたしの頭に手を置く。
そのまま片瀬が言った。

「アイス溶ける。はよ行くぞ」

「はぁい・・・」


お店を出るとき、お姉さんが口パクで言った。
(頑張ってね)


片瀬と似てて、美形なお姉さんだった。
てゆーか、その前に・・・

「・・・・・アイスの、お金・・・」


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