奏。‐カナデ‐
_.....
昼休み。
「ちょっとニヤつかないでよ、きもいから」
「わかってる~」
奈々が呆れた顔で言う。
けど、やっぱ顔が緩むのは抑えれない。
「咲弥は順調でいいわね~」
「ホントそーだよ~」
気にせずノロケるあたしに、「否定しろよ」とぼやく奈々。
だって幸せなんだもん。
少なくとも、あたしのこと心配してくれたってことでしょう?
あぁ、はやく放課後にならないかな~♪
―続けて、今日は5,6時間目も体育祭の練習。
暑さでやる気のないみんなに比べ、あたしはいきいきとしている。
「おーおー松本サンは元気なこった」
「元気無いよりいいでしょー」
二人三脚の紐を持った片瀬がイヤミっぽく言う。
「その調子やと、今回こそはコケんでできるんやな?」
「う゛っ・・・」
「楽しみやわ~」
あぁ、墓穴。
なんであたしいつもこうなのかな~(泣)
「うし、じゃやるぞ」
「はぁい」
「せーのっ」
1歩、2歩と順調に走り出したのはいいけど段々と足がもつれてくる。
やばいっ・・・!
「きゃっ・・・!」