いつかの今日は
「おまたせ〜」
綾姉がグラスを2つ持って戻ってきた。
「まってました」
雑誌をパタッと閉じると
目を輝かせて楓がはなつ。
「あら〜そこのムンクちゃんはどないしたの?」
私に気付いたのか
綾姉が顔を覗き込んでくる。
「ほっといていいよ綾姉、お気に入りの動物ちゃんたちが倒れたらしいわ〜」

ばかにする楓
「どうせあんたが倒したんでしょ〜。どうしたのかな?和茶ちゃん?」

「動物たちが悪魔によって日射病にかかってしもぅた」
そう答えると綾姉は
そうかぁ、大変。と言い流し。
私たちの前にカクテルを置いた。


「それかわいいでしょ?」
綾姉がカウンター席に腰を掛け聞いてくる。

私は「うん、かわいい!」
と答えて、スクリュードライバーをちょびっと口に含んだ。

「それね、彼氏のバンド仲間の人が開店祝いでくれたのよ」
と言いながらタバコに火を付ける綾姉

「あれ綾姉の彼氏さんって」
「まだ続いてるわよ。歩汰[あるた]よ」

綾姉の1つ上で高3のとき
[綾姉は20のとき]からの彼氏だ。

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