kiss・kiss・kiss
『…玲菜』
重い瞼が少し開き、陵の瞳にあたしが写る。
「陵…会いに来てごめんなさい」
かすかに震えたあたしの声。こらえていた涙が溢れ出す。
ああ、なんて愛しいんだろう。
『…俺になんで逢いに……』
陵は目を見開いて、体を起こしてあたしを見つめる。
「杏奈ちゃんから、全部聞いたの…ねぇ??陵…どうして何も言ってくれなかったの??あたしじゃそんなに頼りないの……」
『お前に心配かけたくなかった。それにあの時俺さ変なこと聞いたじゃん。俺の病気も俺の運命だと思うんだ。だから、玲菜にこのことを受け止めてもらえるか聞きたかったんだよ。』
「あたしが黙ってしまったから、受け止めるのは難しいって思ったの??」
『ああ、命には別状なくても病気は病気だからな』
*