kiss・kiss・kiss


「なんでよ…。そんなんだったらなんで帰ってきたのよ!!!!!帰るんだったら逢いにくんなよ!!!」


泣きくずれながら、大声で怒鳴った。グラウンドでは、野球部が終わりのランニングをしている。その向こうでは大きな夕日が沈み駆けていたー…。

その光が無情にもあたしを照らす。照らされてできたあたしの影に目をやると、とても小さく見えた。


『玲菜、嘘だよ。』


陵のばかー。なんで帰るのよ…。嘘だよとか言わないで…ー。嘘だよ…嘘…ん?嘘?

嘘ーーー!!!!!!??

ばっ!!!

と顔をあげるとにんまりと陵が笑っている

こいつ、はめたなー!!!!!


「陵ーー!!!!んな嘘つくなー!!!!どっぱあ悲しんだと思ってんだよ!!!ざけんじゃねーぞ」


女かってツッコミたくなるような、言葉使いですね。笑 決して他の男子には見せない一面。陵や昔の友達だけが知るあたしの本性。そろそろ解禁かな。笑


『あらあら、ぽにょちゃーん。誰にそんな言葉使いしてるのかなあ。』

とほっぺを伸ばす。

げっ!!!Sっ!!!こいつSだったあΣ
久しぶりで完全に忘れてた…。


「ひぃゃたーい!!(いたーい)」


『ほんまにお前はからかいがいがあるなあ普通だまされないっつーの、てか泣くかよ!!!!!笑 ぷっ、帰るわけねぇーだろ、』


おかしくなったんじゃないかと思うくらい笑いこけている。


「爆笑すなー!!!!!!!!!!」


ムカツークー!でも、まあまたこれからも一緒だからいっか。仕返ししてやる。
と叶わない夢を抱く。

あたしたちは、陣内先生に早く帰れっ!!と言われるまでずっと笑いあっていた。



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