kiss・kiss・kiss


「もう、陵のばかーッ。」


陵に枕をなげながら、嘆いている。陵は、枕をキャッチし、あたしに投げ返す。

もちろんあたしは、捕れない。


『キスしてやるから、機嫌なおせっ』


陵は、いつもあたしが機嫌が悪くなるとキスをする。

どおやら、あたしの攻略法を頭にたたき込んでるらしい。


あたしは、陵の攻略本すら手に入ってないのにーッ。


いつもいつも余裕の陵がムカつく。


「子供じゃないもん。キスなんていらない。」


また、心にもないことを言ってしまうあたしの口。素直という言葉を知らないのだろうか。


『はいはい、ちゅー。』


陵は、あたしの言葉を気にとめることもなくあたしの唇を奪っていった。


思わずにやけるあたし。


それを見て、笑う陵。


『やっぱリ、してほしかったんじゃん。』

もう!!笑うなあたしの顔。緩むなあたしの顔の筋肉。ひきしめろーッ


あたしは、瞬時に顔をひきしめた。


陵は、ぶっさいくーっとか、言って、笑い転げている。


くそッ!!いちいち笑いやがって、あたしは真剣なんだよ。



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