kiss・kiss・kiss
「ごめんなさいね、いきなりこんなこと言って」
「いえ、おば様の気持ちが聞けて、嬉しいです。私は、陵に早慶大で頑張ってほしいです。」
おば様は、振り返り、優しい眼差しであたしを見た。
「玲菜ちゃんは、寂しくないの??」
「寂しいですよ。本音は、離れたくないです。でも、私のわがままで陵の将来を崩したくないんです。」
声が震える。やっぱり、辛いね。もう、決めたはずなのに…やっぱり考えると泣きそうになる…。
「玲菜ちゃん、強いわね。」
おば様は、あたしの肩をよせると、優しくあたしを抱きしめた。
「お…おばさま〜」
あたしは、おば様の胸に顔をつけ、声を押し殺して泣いた。
おば様は、あたしの背中をさすったり、頭をなでたりしてくれた。
まるで泣いてる赤ん坊をあやすように…。
おば様、ありがとうございます。
本当に本当にありがとうございます。
陵は、理愛くンと一緒にテレビを見ているため、こちらの様子に気づいてない。
よかった…。
陵に見られたら、陵のせっかくの決意が揺らいでしまいそうだから…
陵のことだから甲南大に行くとか言いかねない。
それは、だめだから…
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