kiss・kiss・kiss


んー。

今何時だろう…?

ゆっくリ目を開けると視界に黒い影。


え…??誰??


目をこすり確かめる。そこにいたのは、陵だった。


ガバッ


「えっ?!な、ななんでいんのよ!!早慶大は?!ってか、今何時?」


早口でひっとり喋って、混乱していると陵が笑い出した。


『あははは、焦りすぎ。お前何焦ってんだよ。今は、6時30分だよ。』


「そっか、あはははー。ってか今日だね。」


『ああ、これなに?』


陵は、あたしが抱きかかえているマフラーを指でさしている。


「ああ、これ?はいっ!!あげるっ」


あたしは、陵にマフラーを差し出した。

くーッ。本当は、もっと可愛らしく渡したかったのに…。もう、最悪!

陵は、あたしを見て、嬉しそうにハニカムとマフラーを取った。


『ありがとう。』


陵は、マフラーを首に巻いて、


『似合う?』


と、笑いながら言った。


「似合うよ」


陵は、八重歯を見せて、にっこりしたと思ったら、ぎゅーっと、あたしを抱きしめた。



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