kiss・kiss・kiss


気がつくとあたしの目からは、大粒の涙が流れていた。止まることの知らない涙は、頬を伝い、シーツを濡らしていく。


「玲菜ちゃん!?」


おば様が血相を変えている。

カバンをがさごそ探して、淡いピンク色をしたハンカチを取り出し、急いであたしの顔をふいて、涙を吸収する。


「…おばさま、ごめんなさい……。本当に、ごめんなさい………。」


肩を震わし、手で顔を覆いながら、必死で謝った。


おば様は、顔をあげて、とか、気にしなくていいのよ、お兄ちゃんの意志なんだからとか言って慰めてくれる。


おば様、ごめんなさい……。



ガラガラっ

病室に響き渡った音ともに陵が心配そうにこちらを見ていた、




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