kiss・kiss・kiss
『お前、なに泣いて…んだよ』
陵は、ゆっくりとこちらに向かってきて、優しく言った。
『顔、あげろよ』
もう一度優しく言う。
でも顔をあげようとしないあたしを見て、陵が強引にあたしの顔を上げた。
「やめてッ!!!」
あたしは陵の手を払った。
見られたくない。見せたくない。陵に、見せれない。
陵の人生を壊したあたしの顔なんて、陵に申し訳なくて、見せれない……。
陵…ごめんなさい……。
「陵…ごめんなさい…自分から早慶大に行けなんて言ったのに、なにやってんだろ……あたしが、あたしが陵の人生を壊した…」
『違う!!!』
陵があたしの言葉を遮る。でも、あたしは、
「そーなんだよ!!!」
陵の言葉を否定する。
違う!?何がちがうの?!!!陵の人生壊しといて、違うなんて言葉かけてもらう価値なんてない。
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