kiss・kiss・kiss
3つの約束…覚えてるよ。
忘れるわけがない…四年前の約束だけど、あたしたちにとっては、四年前ずっと心に縫い付けてきた約束……
『ひとつ目は、浮気したら別れたとみなす。ふたつ目は、お互いを大切にする。みっつ目は、絶対にお互いを信じ、助け、支え合う。』
うん……。
でも、あたしは、ふたつ目を守れていない。守れなかった。
陵の夢はあたしにとっても大事かものだったから………。
「ごめんなさい…」
もう、あたしには、ごめんなさいしか出てこない。謝ることしかできない……。
『玲菜、お前のせいじゃない。お前は、俺を大切にしてくれた、お前は、自分のことなんかよりも俺をいつも一番に考えてくれていた。今回だって、早慶大に行くことを勧めてくれた。』
「あたしだって、陵と同じ大学に行きたかった。でも、医者は、陵の夢だったから」
陵は、ふっと笑った。
『ほらな、自分の気持ちを差し置いて、俺のことを優先的に考えてくれている。だから、約束は、破ってなんかないよ…。』
「…うん。ありがとう…」
『ああ、一緒に甲南大行こう。別に甲南大の医学部に入れば、問題はない。トップで入ってやるよ。そして、つねにトップでいてやるよ。』
「うん、陵ありがとう…。」
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